▲ 出張ケータリング MIKA THAIさん作のサラダ
今から19年前、まだフォトグラファーになる前・・・OLの頃です。
ニューヨーク・ハーレムにある黒人教会にゴスペルを聴きに行ったことがありました。
音楽に合わせて歌い、踊り、そしてトランス状態になって
失神するニューヨークの人たちの姿を眼の前にしたとき。。。
ただただ圧倒されて
なんだか分からないけれど私は泣いていて
理屈抜きでとんでもないものに出会ってしまった。。。と直感しました。
それから、OLを辞めてフォトグラファーとして独立する前まで、
私はゴスペルのクアイア(聖歌隊)に入り
どっぷりとハマっていったのですが(無宗教なのに・・・)
ゴスペルの本当の存在理由—なぜ黒人の人たちが歌が必要だったのか
本当の意味では分からないまま、ただ歌うのが楽しくて練習に通っていたような気がします。
先日、映画「グリーンブック」を観ました。
主人公を通して当時、黒人差別というものがどんなものか、ものすごいリアルに描かれていました。
もう映画の中に私はすっかり入り込んでしまって
一緒に旅行して差別を受けているかの臨場感でした。
ああ、人種差別というのは、こういうものなのか、こういう思いだったのか。
と、初めて人種差別を受けていた人たちが歌に救いを求めていた意味が分かった気がしました。
魂の叫び・・・
ハーレムの教会で、なぜ理由もわからない涙が出たのか。
圧倒されたのか。
それは、魂の本気の叫びに共鳴したから、心揺さぶられたからだったのかも知れません。
そして。昨日は当時のクアイアだったメンバーが10人以上が集まった日。
メンバーのお宅に集まり、持ち寄りパーティーでした。
当時の先生も来てくださり即興でピアノを囲んで歌うという一幕がありました。
先生が作曲した歌を即興で。
歌から離れていた私達。
19年ぶりの、この感覚。
終わったら、みんな泣いてました。
歌ってすごいな。
ゴスペルから離れて19年。
私は激動の19年間だった。
きっと、ここにいるみんなも結婚したり出産したり
いろいろなドラマがあったのだろうな。
その時を超えて19年の月日が、一瞬で戻った瞬間でした。
正直、このOLから写真業界に入ってフリーランスになった渦中で
ゴスペルのことはすっかり忘れていました。
だけど、なぜ私がニューヨークのハーレムであの時、
わけも分からず涙を流したのか
なぜここまで魂が揺さぶられたのか
19年経ってやっと、わかった気がします。
ゴスペルと、私の撮りたい写真が重なっていたのです。
私は、マイノリティー、差別を受けている人に、深く共鳴するんだな
ということ。
そんなことに、たった今、気づきました。
今、気づいたばかりだから
どうしたいのか、
どうすればいいのか
さっぱり分からないけれど
うん。これから、ゆっくり考えていこう。