佐用の70歳「手助けしたい」…那智勝浦でボランティア
(2011年9月19日 読売新聞)
がれきを片付ける小林武さん(18日午後、和歌山県那智勝浦町市野々で)
2009年8月、兵庫県佐用町の豪雨被害で孫ら3人を失った小林武さん(70)が18日、和歌山県那智勝浦町でボランティア活動を行った。
小林さんの家族3人は避難中に濁流にのまれ、長男の妻佐登美さん(当時40歳)、孫の彩乃さん(同16歳)は死亡。文太君(同9歳)は行方不明になり、小林さんは100回以上周辺を捜したが見つからず、今年2月、失踪宣告が確定した。
台風が上陸した3日、佐用町も大雨になった。小林さんは、土石流に襲われた那智勝浦町の様子をニュースで見て「同じように家族を失った人たちのために、自分にできることを」と、ボランティアに参加した。
この日は仲間約20人と被災地へ。泥にまみれた街は、あの日の佐用町と重なり、がれきを撤去していると文太君を捜しているように感じた。小林さんは「水害は何もかも奪う。その喪失感を少しでも埋める手助けができれば」と話した。
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和歌山県内でボランティアセンターが設置されている田辺、新宮の両市や那智勝浦町などの6市町には18日、計1400人以上が入り、これまで最多だった11日(1214人)を上回った。東京都や宮崎県などから夜行バスなどを利用して参加した人もいたという。