映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』映画&舞台挨拶。
オーストラリアの映像
乾いた空気感がダイレクトに伝わってくる。
そして3Dの映像。
ライブで見るより ある意味、生々しい。
ディジュリドゥの長い楽器が、自分の目先まで届く迫力。
そしてそれを奏でるGOMAさんと、目が合う。
まるで私ひとりに吹いてくれているよう。
思わず照れてしまうほど。
この表現方法は、3D映像の成せる業なんだろうな。
どきっとするよ。
私にとってこの映画の一番の発見は『記録する』ことの大切さ。
過去の映像がなかったらこの映画は成り立たなかったわけで。
そして日記。
この日記の持つ役割がこの映画の重要なファクターになっている。
その時、何気なく撮った映像や、
日々のつぶやきに映画の素となる素材が転がっているということ。
事故後3年間、GOMAさんがどんな思いで、
そしてどんな努力をしてきたか
映画では前面に押し出していなかったけれど
(むしろ、それを隠そう隠そうとしていた?)
GOMAさんの努力は全て伝わってきました。
フラッシュバックのように差し込まれた
ヨガをしている映像。
あのポーズ、並外れた身体能力だと感じたし
多分だけど、ヨガをやるのは
事故後の強張った体を必死でやわらかくするため、
リハビリでやっているんだと感じた。
3年でここまで復帰とは、驚異的。
舞台挨拶で淡々と語る脳機能の説明では
事故後起こった不可解な現象を
訥々と語る姿に
自分の脳や体と徹底的に向き合ったことが伝わってきて
涙が出ました。
握手会では、かなりの数の人がパンフレットを購入していました。
「お互いがんばりましょう」
そう言って握手しました。
会場にいた人の発言。
「なんでここが映画館なんだろう
体が自然と動いてそれを止めるのに必死でした。」
って言ってました(笑)
この映画、ライブへ行く感覚で行くといいかも。
新たな、ライブ表現方法が体感できます。
[シネマトゥデイ映画ニュース]
19日、新宿バルト9で映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』初日舞台あいさつが行われ、松江哲明監督、GOMA、高根順次プロデューサーが登壇した。
映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』フォトギャラリー
昨年10月に開催された第25回東京国際映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞した本作がいよいよ初日を迎え、劇場には多くの観客が来場。その様子を見た松江監督は、「シネコンで上映するのは初めて。やっぱり違いますね……」としみじみした表情を見せた。
2009年11月26日。首都高速での追突事故により、記憶の一部が消えたり、新しいことが覚えづらくなるという高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者のGOMA。本作では、そんなGOMAがリハビリ期間を経て徐々に復活していく過程を、ライブ映像やイラスト、アニメーションなどを組み合わせて描き出した異色の3D作品だ。
もともとGOMA自身は、自分を題材とした映画を制作することに対して葛藤があったようで、「障害を持った自分をずっと受け入れることができなくて、誰も知らないところに住みたいなと思っていた。映画の話をいただいた時にも、自分が抱えている問題を人に話すことがプラスになるのか、マイナスになるのかわからなかった。こんな言い方をしていいのかわからないですが、障害に対して色眼鏡で接してくる人もいましたから」と述懐。
しかし松江監督たちと話をしていくうちに「自分の心のドアが少しずつ開きだした」というGOMAはうっすらと涙を浮かべながら、「でも結局、小さな世界にずっといたとしても最終的にはこの世界を去るわけですから。それだったらみんなともう一回つながって、みんなと一緒に思いっきり笑い合いたいと思うようになりました」とコメント。
その言葉を聞いた松江監督は、「僕らにできるのは、GOMAさんに会って感じたエネルギーを残すこと。逆に、映画ならこういう表現ができますよと、GOMAさんに挑戦したかった面もありました。結果としてこの映画がGOMAさんの生きる道具になってもらえれば」と熱い思いを語った。(取材・文:壬生智裕)
映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』は新宿バルト9ほか全国順次公開
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2011/10月復活ライブのニュースを聞いて密かにメモして取っておいたもの。
2011/10/03「CDジャーナル」掲載記事