~インコ脱走劇場。その1のつづき~
ブライダル撮影が終わり、再度「ぴのこ」の捜索活動を開始。
正直、絶望視していた。
カラスに追われて、飛んでいったぴのこを見て
そのまま死んじゃっていると思った。
だから、この捜索も遺体回収のつもり。
でっかいハシゴを抱えて現場へ到着。
よし。登るぞ。
と、足を一歩かけたその瞬間、携帯が鳴った。
さっきの同級生でした。
「今、インコがI酒店の前の電柱に止まっている」って。
ええええ?まぢっすか?
私がハシゴを片付けていると
税理士事務所の人が出てきて、「ハシゴはいいから早く行ってあげて」
って言ってくれ、私はあの巨大なハシゴを税理士事務所のドアの前に放置したまま
駆けつけたのでした。
どこどこ?
ぴのこ?
って叫んだら「ぴぃ」って返事。
そしたらあちこちの店から「飼い主さん来たよ」
と言ってわらわらとみんな集まってきて・・・
「カラス2羽に追われて、30分くらい、こうしている」
って教えてくれた。
呼ぶと必ず返事してくれるから私だって分かってるんだろうな。
でも怖くて降りられない。
そこへ錦寿司のお兄さん(後で、兄と同級生だってことが判明)が
「2Fへ上がる?」
と言ってくれて・・・・
2Fへ上がってやっとぴのこの目線の高さまで。
距離は3m。
あんた、こんな距離いつも呼んだら来るでしょ。
っていう距離なのに、来ない。
そのうち、カラスに監視されているのがわかって・・・
ここは何としてでも捕まえなくちゃ。
っていう思いが募る。
そうしたら
なぜか文鳥さんがぴょん♫
って近寄って ぴのこの様子を見に来たりして・・・。
けれど私はぴのこのことで頭がいっぱいで。。。
(今思うと、あの文鳥さん、保護しなかったのが悔やまれる ごめん。)
そうこうしているうちに連絡していた父がもう1羽のすみれを鳥かごと一緒に連れてきた。
そして鳥かごを目の前に差し出すと・・・・
待っていました!とばかりに直ぐに飛び乗った。
ここから慎重に。
ここで逃げられたらお仕舞いだ。
手でガバっとつかみ(←ここは逃げられる可能性大のところ)
籠の中へ捕獲成功!!
涙が出そうになった。
こんなに嬉しいことってない。
みなさん、ありがとう。
すごい。
この下町パワーは一体なんなんだろう。
やっぱり、私は野毛が好きだ。
通報の電話をくれたM君(屋上の地主)宅へ。
たまたま、M君のお母さんが電柱に止まっていたインコを見つけて
それがM君に伝わり私に電話をくれたという経緯だったようです。
この、偶然は一体何なんでしょう。
そして、鳥かごをかかえたまま
今日、出会った数々の人たち、ビラを配った人たちのお店を回りました。
氷屋さん
お寿司屋さん
酒屋さん
税理士事務所
カラオケボックスのお店
イタリア料理店
カラオケスナックのお店
その他、様子を見ていて応援してくれたお店の人たち
本当にありがとうございました。
そしてお騒がせしました。
お家へ帰ったぴのこ。
尾っぽがなくなっていました。
今夜は、冷えそう。
今日中に見つかって、本当によかった。
ぴのこ。あんたは、すごい。
カラスも、あっぱれだと思って逃がしてくれたのかも。
朝の9時から夕方の4:30までの小さな小鳥の冒険。
絶望だと思った時でも、決してあきらめちゃいけないってことを
あんたに教わったよ。
ありがとう。
でも。。。。
もう、野毛の街を騒がせるなよ。
私も反省するから。
追記
この日記の13年後の2024年夏!
私はこちらのお寿司屋さんで
お習字を習っていたことが判明!!!!
今は その 錦寿司さんは宮川町に移転されましたが
懐かしいなあ。
子どもの頃のお習字教室。
お菓子のパックをもらうのが密かにうれしくて。
野毛の人たちがぴのこの捜索に協力してくれたこと
野毛の良い記憶として、
私の中で大切にしていこう。