昨日フォトレッスンが終わった帰り道、
何気なく手に取った三渓園の広告チラシ。
どこかで見覚えがあるな、と思ったら
ちょうど3年前の今日 6月18日に撮影し
三渓園フォトコンテストで受賞した写真でした。
久しぶりに見て、じんわりと、うれしい気持ちになりました。
三渓園にはハスや桜、紅葉の時期だから・・・と
いつもは目的を持って行っていたのですが
この日はたまたま、妹と甥っ子が遊びに来ていて
「三渓園でも行こうか」と父も一緒にふらりと行ったのです。
まるで、近所のホームセンターに行くかのようなノリで。
後にも先にも父と一緒に遊びに出かけることなんて
初めてでした。
着いたら、「うわ!きれい」と歓喜の声を上げてしまうほど
ハナショウブが一面に咲き誇っていました。
私は そのあまりの美しさに、これはちゃんと撮りたい!と思ったのですが
実際は4歳と2歳の甥っ子と一緒だったので
落ち着いて撮ることもままならず・・・
「ちょっと待ってよ~」 と言いながら
急いでスナップ感覚で1枚撮り、走りながら合流したのを覚えています。
その、4ヵ月後。
「フォトコンテストに受賞したよ!あの時 行った三渓園の写真!」
という報告をした時、父はとても喜んでくれました。
言葉には出さなかったけれど、何よりもその表情が語っていました。
普通の会社員だった私が文字通り0からカメラマンになるということを
何も言わずにただただ応援していたのは父だったと思います。
その時父は、余命宣告を受け、入院中でした。
そして、1ヶ月もしないうちに私達の元から突然いなくなったのです。
今 この写真を見て あの時、三渓園に行ってよかったと 心から思います。
ホームセンターへ買い物とかじゃなくてよかったな、と(笑)
このハナショウブは、父が最後に放った元気な姿と重なります。
いつまでも、いつまでも大切な写真です。
EOS 5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS USM (120mm 1/500 F8 ISO200)