シニア|長寿祝・生前遺影 アート&セミナー参加

『篠山紀信展 写真力』トークイベントで、篠山氏が語った言葉とは

「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」

篠山紀信展。

後藤繁雄氏(編集者/本展企画者)×篠山紀信氏の
トークイベントに行ってきました。

篠山氏が語った言葉が深すぎて、考えてしまいました。

「大原麗子の写真もジョンレノンの写真も、
撮った直後に亡くなった。
自分が撮ると遺影になる。

篠山が撮ると縁起が悪いってことになるから
あまり言いたくないけど」
とジョークをとばしつつ。

「でも、写真家とはそういう瞬間に立ち会う宿命だということ」

というのです。

私も、撮影させていただいたお写真が
遺影になり、その度に、
深く落ち込んだりすることもありました。

でも、この日、篠山氏の講演を聞いて
「それが、人を撮る写真家の宿命」
と、今まで悩んでいたことが、一気に晴れたのです。

 

篠山氏が冗談で言った
「自分が撮ると遺影になる。」
という半分ジョークのことば。

これは、あくまでも
私の仮説なのですが。

「篠山氏が写真を撮ったから、縁起が悪いことが起こった」

なのではなく、
その逆。

その人の魂は、もう知っていて

「記録して。
私の写真を遺してほしい」

と願って、篠山氏を選んだのではないか
って。

そう思わざるを得ないほどの
圧倒的な写真だった。

「人を撮る」
ということ。

そして、その写真が
遺された家族や
後世に生き続けるということ。

改めて写真の持つ すごさに
身震いしました。

★exh145

展覧会「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」2012年10月3日-12月24日

「写真力」って何?
──────────────
「写真力」?
写真の力が漲(みなぎ)った写真ね。
写された方も、撮った者も、それを見る人々も、唖然とするような尊い写真。
特に、人の顔の写真ってすごいよね。いろいろなことを思い起こすし、あの頃、あの子と付き合ってたとか、でもグラビアの子に随分お世話になったとか(笑)、あの時代貧乏だったけど今より幸せだったかも・・・・・・とか。
時空や虚実を超えて、脳裏に強くインプットするイメージの力が、写真力ってわけだ。
そんな写真ってどうやったら撮れるかって?
そりゃ大変なんだよ。めったにそんな写真は写らない。
だって人知を超えた写真の神様が降りて来なくちゃ、すごい瞬間は立ち現れないんだもの。
その為にはあらゆる努力をする。被写体へのリスペクト、その場の空気を正しく読み、自分の感性を最大限にヒートアップさせる。
すると本当に偶(たま)に神様が降臨する。そりゃ、すごいぞ。そこで撮れた一枚は、その人への想いはもちろん、時代や自分史をも思い起こさせる力になってしまうんだから。
で、この展覧会は、50年間にわたって撮ってきた写真の中から、飛び切り写真力のある写真ばかりをえらんでみたものなんだ。
よりすぐりの顔、顔、顔・・・・・・
写真ってスゴイぜ!

篠山紀信

展示会について GOD:「鬼籍に入られた人々」より
展覧会は既に亡くなった人々の面影から幕を開けます。
被写体は誰もが知っている有名人。
いずれの被写体もすでにこの世にはいないものの、
篠山の写真のイメージによってその面影が鮮烈に浮かび上がります。
篠山は、写真家は往々にして「時の死」の立会人だと言います。
それはみずからの活動を省みての発言であると同時に、「写真」というものの本質
─ 撮られた瞬間から「過去」のイメージであることを宿命づけられている ─
についての洞察と言えるでしょう。


2024/1/6 追記
12年前の私は、遺影写真について悩んでいました。
トークイベントで、偶然にも「・・・それが、人を撮る写真家の宿命」
という篠山氏の言葉に、
私はどんなに救われたでしょうか。

あの、おちゃめな笑顔と
その奥に隠れている、写真に込めた深い精神性。
そして、会場での圧倒的な写真の数々に、
心震えました。

篠山紀信さん。謹んでご冥福をお祈りいたします。

しいれい とは【see 見る】と【光を意味する ray】で 被写体の「光を見る」達人になりたいという想いから。ビデオグラファーの経験を生かしたドキュメンタリー撮影技法で、自然な表情を切り取るナチュラルポートレイトの提案をしています。「光=真のあなたの魅力」を写真を使ってお伝えします。

【受賞歴】
・エプソンフォトグランプリ入賞
・三渓園フォトコンテスト入賞
・Photoback for Biz Award(アルバム制作)金賞
・明治安田生命マイハピネス 8回受賞&CM採用

しいれい プロフィール詳細≫≫★
https://seerayphoto.com/about-seeray

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