横浜美術館主催 3時間の鑑賞ワークショップ
「撮られるイメージ・創られるイメージ」へ行ってまいりました。
私はてっきり講義形式なのかな、
と思っていたのですが。
自己紹介からはじまり、初対面の人とグループワーク!ということになってあわてた。
雑誌『LIFE』の編集者になったつもりで
まずグループでキャパ展を回り
写真を数点選び、
キャプションを考え
該当写真をA3サイズの紙面にレイアウトし
最後は発表するという
なんとも強烈な課題だったわけです。
館内は混んでいました。
人の流れに沿って写真を一つ一つ観ていったら
・・・時間切れ。
日を改めて行こうという気になりました。
それほど、引き込まれました。
もうグループワークのことは二の次になって
私は写真とキャパとタローの二人にまつわるストーリーに
完全な虜になってしまったのです。
先日NHKで沢木耕太郎氏の謎解き番組をやっていて
そちらも面白かった
「崩れ落ちる兵士」の謎。
この兵士は死んでいなかった?
そしてこの写真はキャパではなくタローが撮った???
そして美術館学芸員の方が説明してくれた
日本の戦場カメラマンを例に
コンタクトシートと、実際公表された写真とのギャップの話。
撮り手が意図しないところで
それは出版社に渡り、観衆に渡った時点で
写真が一人歩きをすることがあるということ。
そしてさらにカメラマン自身の人生もとてもドラマチックに富んでいて・・・
特に、キャパの恋人だったゲルダ・タローの人生。
(「タロー」というのは親交があった岡本太郎から因んだという説も)
キャパのものよりもむしろ被写体に肉薄した彼女の写真は
本当にすごかった。
瞬間に判断する構図の完璧さはさることながら
被写体に近づくスピリットが感じられる写真に私はただただ圧倒されていました。
ほとんどが戦争の写真だったけれど
戦争写真を見ているというよりもポートレイトを見ていると感じました。
被写体ひとりひとりの人生や、ストーリーが写真一枚一枚が雄弁に語っているって感じたから
私はそれをじっくりと味わい尽くした。
「時間です」
あわてて会場に戻りグループワーク発表。
各グループの発表の後、学芸員さんが感想を言ってくれるのですが
それがまた、鋭くて作品を深く知るきっかけになって
本当に楽しくて仕方なかった。
横浜美術館、おもしろい企画するなあって関心しちゃいました。
帰り道、押し寄せる感想は、
キャパもタローも、「戦争を撮った」というよりも
「人間」を撮ったカメラマンなんだなっていうことでした。
私の勝手な独断ですが。
横浜美術館オフィシャルサイト≫
「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」展
CP+ 横浜美術館のブースにて。