カメラ女子増殖中 一眼レフで気軽にパチリ
2009.8.4 09:24 産経ニュース
関東一円から女性客が集まる東京・自由が丘の「ポパイカメラ」。フロアの半分近くを食器やボタン、アルバムなどの雑貨が占める ストラップで斜め掛けしたデジタル一眼レフカメラで、街角の“空気感”とスイーツや雑貨をパチリ-。一眼レフの価格が10万円を切り、さらに小型軽量化も進み、手軽に持ち歩く女性が増えている。ブログへのアップはもちろん、お気に入りの写真を紙や布にプリントして雑貨作りに熱を上げる彼女たち。撮影技術を高めたい女性も多く、女性を対象とした写真講座や本も人気だ。(寺田理恵)
◆雑貨も好き
関東一円から女性客が集まる東京・自由が丘の「ポパイカメラ」。フロアの半分近くを食器やふきん、ボタン、アルバムなどの雑貨が占める。3年ほど前までは、普通の老舗カメラ店だった。それが女性の間で写真がはやり始めたのに合わせ、店内を雑貨店と見まがうスタイルに変えてみた。すると、売り上げが1・5倍に伸びた。
同店の石川芳伸専務は「カメラ好きの女性は雑貨も好き。対象をきっちり撮るというより、空気感や雰囲気を表現する」と話す。
撮影技術を高めたい女性のニーズに応え、メーカー各社も女性対象のカメラ講座を開催、人気を集めている。オリンパスの女性限定一眼レフ講座「フォトルージュ」は、受講者数がスタート時の3年前に比べて2倍強。鎌倉などおしゃれな街の撮影をテーマに、何気ない風景や食べ物など日常的な被写体の見つけ方と撮影技法を学ぶ内容が女性に受けている。
◆暮らしを楽しむ
カメラ片手に神奈川・北鎌倉を散策した女性会社員(37)は「北鎌倉の明月院へアジサイを見に行き、撮った写真はブログにアップしました」と話す。観光地での写真は女性にとって欠かせないアイテムとなっている。
“カメラ女子”をターゲットに、4年前に創刊されたムック本「Loveカメラ」(宝島社)はこれまでシリーズ11冊を数え、販売部数は累計30万部と好調だ。
宝島社の担当者は「料理やスイーツ、ペットなどを撮りたい読者が多く、雑貨作りも含め、カメラを通して暮らしを楽しんでいる。こだわりの一枚を撮影したいという欲求が高まっており、ブームはさらに加速する」と分析している。
■ムック本も続々
「Loveカメラ」のほかにも、「女子カメラ」(ローカス)「カメラ日和」(第一プログレス)「ママズカメラ」(日本カメラ社)などカメラに関する女性向けのムック本や、おしゃれな写真の撮り方のハウツー本が続々と刊行されている。
内容は、女性初心者向けの一眼レフ情報や基礎知識などに加え、写真を紙や布にプリントしてボタンやバッグなどの雑貨を作るといった女性が好む内容の企画が目立つ。男性との大きな違いは、雑貨作りの素材に使うために写真を撮る点といえそうだ。