http://wol.nikkeibp.co.jp/article/special/20100208/105846/
ショウガの巡りパワーはこうしてアップする
ショウガの入った飲み物や食べ物をとると、体がすぐにポカポカしてくる。これは、「ショウガに含まれる辛み成分の一つ、ショウガオールに体のエネルギー消費を高める作用があるから」と話すのは、ショウガとエネルギー代謝について研究する日本大学医学部の平要准教授。
うれしいことに、ショウガが生み出す熱は普通の食事と違って、食後3時間は続く。冬は気温が低くてすぐに冷えてしまううえに運動も不足しがち。そんな、体が生み出す熱が不足してしまう季節にぴったりの“巡らせ食材”がショウガなのだ。
しかも、「ショウガを摂取する実験では、手足の指の表面温度はあまり変わらなかった。胃腸などがある体幹に血液が集まっていると考えられ、消化活動が良くなることが期待できる」と平准教授。一週間ショウガをとり続けた読者モニターからも、お通じが改善したという声が。胃腸冷えの便秘にこそショウガがお薦めなのだ。
ショウガの巡りパワーをより引き出すには、朝とる、1日10gを目安にする、加熱してとる、の三つのポイントをおさえよう
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作りおきしてらくらくショウガ摂取、超簡単ハニージンジャーレシピ朝ショウガ習慣を続けるために作っておくと重宝するのが「ハニージンジャー」。ショウガをハチミツ漬けにしたもので、お湯や牛乳で溶いてドリンクにするほか、「果物やトーストに合わせたり、煮物の甘みづけにも使える」と料理研究家の松尾みゆきさん。
ショウガは皮のあたりに栄養成分が多いので、皮ごと使おう。また、繊維を断ち切るように薄めに切るのもポイント。「これでショウガの成分や風味が出やすくなる」と松尾さん。漬けこんで半日ほどで使えるようになる。冷蔵庫で保存して、2週間以内に使い切るようにしよう
ショウガQ&A
ショウガ10gは親指の第一関節から先の大きさ。
チューブのショウガを使うなら、絞った長さ10~15cmが目安だ。
「(チューブなどに入った)すり下ろしショウガは、内容量の8割くらいが生ショウガ。でも、酢酸などが加えられており、生のショウガと効果が同じとは言い切れない」(平准教授)。そこで、編集部で試してみたら、ぽかぽかと温まる効果が実感できた。
ショウガの大敵は乾燥。湿らせた新聞紙に包んで常温で保存しよう。まとめてすりおろして、1回分約3gをラップに包んですぐに冷凍しておくと便利。前回紹介した保存レシピを作っておけば、料理の幅も広がる。
「生のショウガに多いジンゲロールは、より高い温度で加熱した方が短時間で温め成分のショウガオールに変わるが、70℃くらいのお湯でもかなり変わると考えられ、効果は十分だろう」(平准教授)。ポットのお湯でもOKだ。