シニア|長寿祝・生前遺影

葬儀写真を撮る。

昨日は親戚のお葬式。

去年、私は父の葬儀写真を撮った。
それこそ、タブーとされる棺の中まで、撮った。

泣きながら。
もう、顔なんてぐしゃぐしゃで、
声を出して、泣きながらでも撮った。

誰に何を言われても、いいやと思って。
後悔は、全くしていない。

そして、昨日は親戚の葬儀。
84歳の大往生だけれど今回は、撮らないって決めていた。
身内と、親戚とではやはり状況が違うから。

でも、親戚から「撮らないの?撮って」
という声があって、遺族が望んでいるのなら・・・と、撮ることにした。

葬儀社の方に相談したら葬儀の写真を望まれる方はいるとのことで
専属の葬儀カメラマンというのも存在しているのだとか。

そうは言っても、集合写真に留めておこうと思った。
それが、限界なんじゃないかって。

告別式がはじまる前、葬儀担当の方に「今しかありません」と言われ、
祭壇の前に椅子を並べて汗だくになって集合写真を撮った。
そして、最後のお別れ。
棺にお花を手向ける場面。

迷った。
撮るべきか、撮るべきじゃないのか。
頭の中は、葛藤の渦だった。

はじめはカメラを手にしていた。
でも、方々から聞こえてくる嗚咽に
早々にカメラを置いた。

こんなつらいシーン、とても撮れない。
撮れる訳がない
って。

でも、最後の最後。
最愛の夫に、涙を流しながらも静かにお別れを告げている叔母の、
その凜としたたたずまいを見ていたら、
これを撮らないでどうする!
・・静かにシャッターを切っている私がいた。

自分も泣きながら。
「撮らなければならない」っていう使命だけで体が動いていた。

果たして撮ってよかったのだろうか
そしてその写真を渡していいのだろうか
っていう葛藤は、正直今もある。

間違っているのかもしれない。
葬儀写真を撮るなんて。

でも・・・
頭は必死にNO!と言っても、直感で私は分かっていた。

この写真が家族の手に渡って、
将来、大切な宝になるということを。

ゆり

今日、庭にピンクのカサブランカが咲いた。

4年前に植えていたけれど、決して咲かなかったのに。

園芸が好きだった叔父さんが、
答えを見出せない私に
そっとプレゼントしてくれたみたいで、
なんだかとてもうれしかった。

しいれい とは【see 見る】と【光を意味する ray】で 被写体の「光を見る」達人になりたいという想いから。ビデオグラファーの経験を生かしたドキュメンタリー撮影技法で、自然な表情を切り取るナチュラルポートレイトの提案をしています。「光=真のあなたの魅力」を写真を使ってお伝えします。

【受賞歴】
・エプソンフォトグランプリ入賞
・三渓園フォトコンテスト入賞
・Photoback for Biz Award(アルバム制作)金賞
・明治安田生命マイハピネス 8回受賞&CM採用

しいれい プロフィール詳細≫≫★
https://seerayphoto.com/about-seeray

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